学びなおすための時間

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 「人生100年時代」の到来を見据え、経済産業省有識者研究会が報告書をまとめた。社会人が自らのキャリアや働き方を見直すため、国内外の大学院や専門学校、海外ボランティアなどで学び直す「サバティカル休暇」と呼ばれる有給の長期休暇制度の導入を企業に呼びかける。柔軟な勤務時間や学費補助など、働きながら学べる環境づくりも求める。

 サバティカルは一定の勤続年数を経れば数カ月~1年程度の休暇がとれる仕組みが代表的で、米ヤフーやマサチューセッツ工科大(MIT)など海外の企業や大学に導入例が多い。人材の確保や定着につながるとの期待があり、導入企業への支援措置も検討する。

 厚生労働、経産両省は今ある雇用保険からの助成制度のうち、労働者の中長期的なキャリア形成を支援する「専門実践教育訓練給付」の対象も今春から拡大する。休暇を利用して人工知能(AI)やビッグデータ解析といった高度なIT(情報技術)技能を取得できるようにする。

 企業には社員向けに兼業・副業や社内起業、社内兼業など多様な働き方やキャリアの選択肢を確保することも求める。報告書では資本関係のない他社への「他社留学」など「武者修行」の経験が必要と強調。人手不足が深刻な地方の中小企業への出向や兼業・副業も奨励する。大企業の人材と中小企業をマッチングする機関への助成も視野に入れる。(2018/3/11 18:30日本経済新聞